手紙


「た、食べるってまさか、キ……キスのこと……?」

『あれ?今さら?まさか本当に食べられちゃうと……葵なら思ってもおかしくないか』


……思ったよ。

確かに思っちゃったけれども!!


でも何であたしならあり得そうなの!?


「ってことは……口は来るって……」

『乗ってくればほっぺとかおでことか、あとは……耳?』

「耳!?」


なぜ耳!?


『葵が逃げられない状態で首だけ食べられちゃうのから逃げたとすると、真横に顔向けるでしょ?』

「ん?逃げるとき?」

『葵がキスされそうになって、真横を向いたとき、その翼の顔面に来るものは?』


考えてみた。

キスされそうで、恥ずかしくて横に向いちゃったあたし。

でもその唇がそのまま近付いてきたら……。


「耳にぶつかるじゃん!!」

『だから耳気を付けてって言ってるの。耳が嫌なら受け入れることね』
< 258 / 300 >

この作品をシェア

pagetop