手紙
「前いた方の屋上来てだって。チョコ持って行きなよ」
……ついに食べられちゃう時が来たの……?
「……屋上ね……」
前いた方ってことは、特別教室側の校舎か……。
「じゃ、ちょっと行ってきます」
あたしはドキドキと不安を抱えて屋上に向かった。
三分程度で着いた。
屋上への重いドアを開くと、翼が空を見ていた。
「あ、葵」
「翼……な、なに?」
ドキドキが止まらない。
なんだろう……何か期待してるのかな……?
食べられちゃうのに……?
でも、翼とのキスは幸せな気分になれて……大好きなんだ……。
「今日、花音の誕生日っていうの、初めて知ったでしょ?」