手紙
「柚縷に知らせなきゃ」
そう言ってメールを打ち始めた花音。
花音は気持ちを伝えたあの日から、積極的に柚縷ちゃんに会いに行ったり話したりしてるみたい。
その前までの花音なら、翼が引っ張って行かなきゃ行かなかったくらいだったって聞いたのにね。
「花音さ、いきなり柚縷ちゃんに対して積極的になったよね」
「え?……あぁ、恥ずかしいよりも意識してほしいって気持ちが強くなったからね」
あたしが翼を好きだと自覚した時、すごく怖かった。
今までと変わらない生活を送ろうって必死で気持ちを押さえてた。
必死だったから自分のことなんて覚えてないや。
でも、諦めないって決めてたから、それだけは覚えてる。