手紙


「葵、誕生日に何が欲しい?」


そうにいきなり聞いてきた翼に、思わずこう言ってしまった。


「え?幸せな時間……あ」


翼が一瞬たくらみのある笑みを見せてくれちゃいました。


「へぇ~、幸せな時間ね……」

「あ、その、いつもが不幸せってことじゃないよ?じゃなくてね、そのね」

「ふーん、幸せな時間……そうか……」

「翼といるときは、いつも幸せだよ、だから……」


だからそんな顔をしないで!!

なんだかとてつもなく不安がっ!!


「ま、間違えて言っちゃったの。だから、翼のくれるものなら、なんだって……」

「わかった。じゃ、もっと幸せをあげる」


絶対分かってない!

そのまま、今日まで来てしまったのです。


確かに翼からなら何でもいいんだけどね、でもあの反応は怖いよ!!

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