手紙
口の中に入ってきた甘い味に反応して、すぐに口を閉じた。
なにかが、入ってきた。
……甘くてふわふわしてて、おいしい。
チョコレート……だよね?
「目、開いていいよ」
目を開くと、視界いっぱいに翼の顔が……!?
ビックリして思わず後ずさってしまった。
「その反応がおもしろいから、ああいうことをやりたくなっちゃうんだよ」
なんて笑いながら言うけど、あたし的には笑えません!!
「おいしい?」
まだ口の中にふわふわチョコが入っているから、あたしは頷いた。
「それ、一口サイズのチョコレートケーキ。朝作ってきたんだ。限定一つで」
「作ったの!?」
「葵だって作ってくれたでしょ?だから、少し頑張ってみた」