手紙


あたしの頭が今占領されてるのは、花音ちゃんがズルいとか、うらやましいとか、何も言ってくれなかったことじゃない。


冷静になってから気付いたこと。


「あたし、最低だ……」

「葵ちゃん?」


今まで、花音ちゃんとこんな風になったことはなかった。


さっきあたしが花音ちゃんを見てしまった目は、"裏切られた"って目だったと思う。


その目に耐えられなくて花音ちゃんは出て行ったんだ、きっと。


「あたしが探してる人を、花音ちゃんが知ってた。さっき初めて聞いて、混乱して……」

「隠されてたって思った?」


あたしは頷いた。
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