手紙


でも、なんか変。


「……花音ちゃん、スゴく濡れてない?」

「……葵?」


聞こえたのはか細い声。

濡れた髪の間から見える瞳。

いつもの花音ちゃんとは全然違った。


「ははっ……音聞こえないの?葵ったら」


……音?

意識して聞いてみた。


ザー

ゴロゴロ……

ピカッ!!


叩きつけるような大雨に、雷に、窓の外が光った。


あれ?

今日ってここまで天気悪かったっけ?


「勢いよく扉を開けたのまではよかったけど、大雨が直にかかって来てさ……ダサッ」


それでずぶ濡れってわけね……。
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