暗門が開く時
私の目
私は、山西 真由。
高校三年生。

私には、思い出したくない過去がある。

実は私、目が見えません。

左目は全く見えず、右目はかすかに見える程度。

小学生の頃、砂場で遊んでいて、友達の投げた砂が目に入り、手術はしたものの、それ以来、私の目はどんどん悪くなっていった。

そのため、中学ではいじめられた。

近くの高校に行きたくなかった私は、お母さんの故郷、長崎へ行き、お婆ちゃんの家から高校に通うことにした。

回りは、私を知らない人ばかり。

私の目が見えないとゆうことも…。

それも怖かったけど、勇気を出して行くことにした。

初めての登校日、私は緊張のあまり、朝家を出る前、何度も戻した。
お婆ちゃんは、すごく心配していたが、私は中学の時の恐怖がよみがえり、お婆ちゃんの声すら耳にとどかなかった。

学校へ着き、何度も引き返そうと考えたが、逃げたくなかった。

思い切って、教室の扉を開いた。

教室は静まり返った。

「まただ…」

私は、どこへ行っても一緒なんだ…

先生は私を、教室の真ん中へ呼んだ。

自己紹介は嫌いだ。

目のことは言いたくなかった。




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