暗門が開く時
卒業式当日、私は行かなかった。

卒業証書を持ってきてくれたが、私は誰とも会いたくなく、部屋に閉じこもっていた。

一人教えていた。

私に関わる人が死ぬ…
まさか…

とは思ったが、そう考えずにはいられなかった…

私はそれ以来、部屋からも出ようとはせず、お婆ちゃんとも口を聞かなくなった。

お婆ちゃんは毎日部屋へ来ては話しかけてくれたが、私は答えることもできなかった。

そんな日が続き、私も少しは落ち着いてきた。

お婆ちゃんにまで、迷惑かけてはいけないと、少しずつ、生活を取り戻していった。

そんなやさき、お婆ちゃんが倒れ、救急車ではこばれた。

80歳になるお婆ちゃんは、体も弱り、そう長くはないと告げられた…

後悔した…

何をしていたんだろう…


お婆ちゃんは私のことを第1に心配してくれたのに…


私はお婆ちゃんに心配ばかりかけて、何一つしてあげれなかった…

お父さんもお母さんも長崎へきた。


その数日後、お婆ちゃんは息をひきとった…

私が一番泣いた…

お婆ちゃんの葬式が終わり、私も両親と一緒に家へ帰ることになった。

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