暗門が開く時
開く先へ
久しぶりに帰る東京は、うれしくも何ともなかった。

私の心は、晴れなかった…

私は、仕事をすることにした。

人と話さなくてすむ仕事を探した。

いつしか、夏休みに入り、両親と長崎へお墓参りに行くことになった。

長崎へ着き、親戚の家に泊まることになった。

大人ばかりの会話につまらなくなった私は、外へ出かけることにした。

歩いていると、学校が見えてきた。

どうしようか考えたが、寄ってみることにした。

門まで行ったが、もう廃校になっていて、入ることはできなかった。

ふと、お婆ちゃんの家が気になり、行ってみることにした。

お婆ちゃんの家は、何もなく、セミの鳴き声だけがひびいていた。
私は、自分の部屋へ向かった。

私の部屋には、ベッドが残されていた。

私は、おもむろにベッドに横になり、じっと天井を眺めていた。

すると、いつしか眠っていたのだろう…

夢を見ていた…

すると、私の目の前に太田川 なつさんが現れた。

笑顔で私に話しかけてきた。

「学校へ行こう」

指さす先には、加山先生が手をふって、待っている。

私は、やっと心が晴れ、おだやかな気持ちになれた。

彼女が差し出す手をつかみ、笑顔でかけ出す私は、


『これからが、私の、本当の人生…』


そう心につぶやいた。
< 6 / 6 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:1

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

★パパサー★
徠羅/著

総文字数/1,453

青春・友情4ページ

表紙を見る
☆ラブ・マジック☆
徠羅/著

総文字数/1

恋愛(その他)1ページ

表紙を見る
クローバー
徠羅/著

総文字数/20,364

恋愛(その他)74ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop