第二ボタンと春の風
そんなこと、いいのに。
「ううん、私が悪かったんだ。
もっとちゃんと言えばよかったの。
中途半端な態度とるから、
麻衣も自分も苦しめるんだ」
「亜紀……」
何個ものごめんねと
何粒もの涙が重なって、
私たちは終いには声を上げて泣き出した。
安藤はしばらく黙って聞いていて、
やがて「帰ろうか」と、
私たちに言った。
駅まで歩いている途中、私と麻衣は石井のバカな所ばかりを話していた。
結構まぬけで
テストの点数は低いし
なんでも笑ってすまそうとする、
そんな私たちの好きな奴。