第二ボタンと春の風
顧問の先生にこっぴどく叱られた。
「相沢、あんたねぇ!
体が資本なんだから、
ケガと病気には気をつけろっていつもいつも言ってるでしょ!」
「ごめんなさい!」
「そもそも練習中にほかのこと考えてたんでしょ?
だからボール踏んで転んだりするの!」
「ごめんなさい!」
「夏の総体まであんまりないのを自覚しなさい!
今年こそ県大会優勝するんでしょ!」
「はい!」
先生はやれやれと首を振ってから、
「捻挫だとは思うけどいちおう病院行っときなさい」
と指示をした。
もう帰りなさいと言われて、
帰るしかなくなった。
「亜紀、ぼんやりしすぎて
車にハネられたりしないでね」
「大丈夫だよ」
「気をつけてねぇ!」
安藤と麻衣が校門まで送ってくれた。
「ありがと」
2人に手を振って、
帰り道をゆっくり歩き出した。