第二ボタンと春の風
途中、なんだか泣きそうになった。
なにやってるんだろう、私。
自分の気持ちのコントロールも出来ない
好き
とか
きらいとか
だから、
振り回されたくないから
いやなのに
いつの間にか帰り道途中にある市営のグラウンド前に来ていた。
どこかのクラブチームなのか、
中高生くらいの男の子たちが
ボールを追って走り回っていた。
その中によく知った顔を見つけて
息をのんだ。
「圭ー!こっち!」
「おうよ!」
石井がうそみたいに、
羽が生えてるみたいに
フィールドを駆けていた。