第二ボタンと春の風
安藤と約束をして教室に戻った。
教室に宿題のプリントを忘れたのを思い出したから。
「あれ、おかしいなあ」
床に片膝をついてガサガサと机の中を探る。
あーもう、
普段からちゃんと整理しなくちゃなあ。
「ない……あれぇ……?」
イライラして引っ掻き回していたら、
バサバサーとプリントや教科書が雪崩を起こして落ちた。
「いやぁぁー!最悪!」
「なにしてんの?」
「うわぁあ!」
突然すぐ後ろから声がして、
私はおもいっきり叫んだ。
振り向くと石井が耳を押さえながら屈んでいた。
「いっ石井!」
「相沢ー……ビビりすぎ」
「ご、ごごごめん」
「なにキョドってんの」
石井はへら、と笑うと、
なんか探してたのとプリントや教科書を拾ってくれた。
「う、うん……
数学の宿題のプリント」