第二ボタンと春の風
「佑にチャリ借りた」
「……福島?
アイツまたチャリで来たの!?
ったく、禁止だっていうのにー」
「送ってやるから、
……一緒に帰らねー?」
「……え」
パパパパーン!
タララッタ
タララッタ……
タイミングよく吹奏楽部の音が割って入って来てくれた。
「あは、
すごい音……」
「なあ、相沢」
「……うん?」
顔をあげると、
真面目な目をした石井がいた。
「…もし俺がお前をスキだって言ったら、
……お前、どうする?」
世界が停止したかと思った。