第二ボタンと春の風

私は途端にドキドキし出した心臓を押さえて、はあ、とため息をついた。


「原稿は先生が書いてくれてあるんだろ?読むだけじゃん」

「じゃあ石井が代わりにやってよ」

「やだ」

「ばか」


私はちょうど教室に入って来た仲良しのももちゃんに、
先に行くことを告げて教室を出た。


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