第二ボタンと春の風
修学旅行まであと3日。
私たちの気まずさは絶好調。
……っていうか、
私が一方的に避けてるんだけど。
「はー……」
教室でため息をついていたら、
ヒソヒソと声が聞こえた。
「亜紀ちゃんたちケンカ?」
「わかんねー。
とりあえず無口記録更新中」
「いつからだっけ?」
「4月13日!
衝撃だったから覚えてる」
「なんかあったっけ?」
「圭が休んだ次の日からだよな?」
バン!
教室のドアを叩いたやつがいた。
「関係ないっしょ」
石井はしかめっつらで席にやって来て、
そのまま私の前に立った。
「……相沢」
顔をそむけて無視をしようとしたのに。