第二ボタンと春の風


修学旅行まであと3日。

私たちの気まずさは絶好調。


……っていうか、
私が一方的に避けてるんだけど。



「はー……」


教室でため息をついていたら、
ヒソヒソと声が聞こえた。


「亜紀ちゃんたちケンカ?」

「わかんねー。
とりあえず無口記録更新中」

「いつからだっけ?」

「4月13日!
衝撃だったから覚えてる」

「なんかあったっけ?」

「圭が休んだ次の日からだよな?」



バン!

教室のドアを叩いたやつがいた。


「関係ないっしょ」


石井はしかめっつらで席にやって来て、
そのまま私の前に立った。


「……相沢」


顔をそむけて無視をしようとしたのに。


< 52 / 133 >

この作品をシェア

pagetop