第二ボタンと春の風


ゲラゲラ笑っていた石井はふいに真顔になって、ぼそぼそと言う。


「タオル、……使う」

「うん」

「ありがとう」

「うん」

「……昼休み終わるな。
帰るか」

「……うん」



少しだけ距離を置いて、

並んで帰った。


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