第二ボタンと春の風
家に帰ると、
お母さんに先にお風呂に入っちゃいなさいと言われて、
素直に従うことにした。
湯気の立ちこめるお風呂場に行って、
ざぶんとお湯につかる。
「気持ちいー」
ゆっくり息を吐きながら、
目の前に迫った旅行を思って顔がゆるむ。
何はともあれ石井と一緒の旅行なのだ。
最近なんとなくいい感じだし、
何か芽生えちゃうかも……
「きゃーいやー!
私キモーい!」
さっさと頭や体を洗ってお風呂から出た。