第二ボタンと春の風


京都に着くまで、
私はほとんど寝てた。

……寝たふりしてた。


ボックスシートで、隣にももちゃん、むかいに福島、斜め前に石井。

石井との気まずさに
耐え切れる自信が全くなかったから、
寝たふり。

……逃げてるよね、うん。




石井が不機嫌になる理由がわからない。

なんで怒るの、

私なにかした?


……やっぱり恋って面倒臭い。



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