第二ボタンと春の風


夕方、ホテル(っていうか旅館だった)に着くと、3組と5組は先に戻って来ていたみたいで、麻衣と安藤が売店でアイスを買っていた。

ほとんどの生徒が旅館の浴衣を来ている。


「ああ!亜紀!」


安藤が私に気付いて
アイス片手に駆け寄ってきた。
麻衣も一緒だ。


「おかえりぃ!
どうだった、清水寺行ったんでしょ?」

「うん……
人がいっぱいいた」


私の間の抜けた答えに
2人は顔を見合わせたあと爆笑した。


「あたりまえ!」

「亜紀はおもしろいなぁ!」


だって……
……ぶっちゃけそれしか記憶がない。


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