第二ボタンと春の風


「……亜紀?」


安藤が心配げに顔を曇らせた。

やばい、
安藤の旅行まで台なしにできない!


私はそう思って首を振った。


「う、ううん、なんでもない!
もう温泉入ったの?」

「うん、広かったよー
めっちゃキレイ!」


麻衣がうれしそうに答えた。

安藤は相変わらず
顔をしかめて私を見てる。


そして言った。


「……亜紀、
石井とまたなんかあったでしょ」


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