第二ボタンと春の風
「そうかぁ?
じゃあなんでまた泣いてんだよ」
「……うるさいなあ。
女の子にはいろいろあるの」
「女の子?
どこどこ?」
「ばっかみたい」
私が吹き出すと、
安藤もこらえきれない様子で吹き出した。
「ほら、早く部屋行けよな!
うしろつっかえそうだし」
常識無い福島に常識みたいなことを言われて、私はまた笑った。
「安藤、
ごめんね」
「……私、もう知らないからね」
「うん、ゴメン」
私の言葉に安藤はため息をついた。