第二ボタンと春の風
「……わかった、もういいよ。
でも、麻衣に言わなきゃダメだよ。
私もだって」
「旅行から帰ったら、
ちゃんと言うよ」
「……よし。
じゃあ楽しもうね!」
「うん!」
私たちはそこで別れた。
ももちゃんが先に部屋に行ったようだったから、私も急いで部屋に行って、2人で温泉に入ることにした。
「浴衣なんて旅館っぽいよね~」
「学校もフンパツしてるよね!」
私はアホみたいに温泉にうかれて、
長風呂して、
のぼせて、
気付いたら、
……ぜんぶ、終わってた。
…………後悔してもしきれない。
夕飯までの自由時間のあいだに、
なにが起きたのかを
詳しく知る方法はない。