第二ボタンと春の風


「……え?」

「だからあ!
石井クンがあたしと付き合ってくれるって言うの!」



めまいがした。



「ほ、他になにか言ってなかった?」



ありっこないのに

石井が私を気にかけていなかったかとばかり気にしてしまう。


ありっこ、ないのに。



麻衣は少し考えてから、


「石井クンじゃ他人っぽいから、
圭って呼んでほしいって言ってた!
もーカッコよすぎるぅ!」



『圭』……



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