第二ボタンと春の風


「相沢!」

「え?」

「指されてる指されてる!」


ハッとしてあたりを見たら、
いつの間にか授業が始まっていた。

数学の小倉先生が、
相沢さんどうかしたのと首を傾げた。


「ごっごめんなさい!
元気です元気!」


みんながドッと笑った。

私は隣で笑う勝野の手の甲をつねった。



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