No Mobile No Life
時計の針は、どんどん進んでいく。


しかし、ダイトからのメールがくる気配は全くない。


もしかしたら、ダイトは忙しいのかも知れない。


土曜日でも、仕事がある会社に勤めているのかも知れない。


今日は休日で、ドコか遊びに出掛けているのかも知れない。


ダイトにも、日常はある。


それで、私のメールに気付かなくても、全く不思議な事ではない。


分かっている。


誰しもが、携帯電話の向こうの相手よりも、身近な日常を大切にする。


それが、当たり前。


それは、分かっている。


しかし、そんな当たり前の事を考えると、私の中で淋しさは更に膨れ上がっていった。
< 158 / 222 >

この作品をシェア

pagetop