空
「「ハァハァ、ハァ」」
2人とも息が切れるほど走った。
「ハァ、何?咲希。」
「美桜さー、あんなこと言われて苦しくないわけ??!!」
「別に。だって山本なんか好きじゃないし。」
「それ本心で言ってる?」
「本心だよ。」
「じゃあ、なんでそんな泣きそうな顔してるの?」
「え?」
美桜の顔は咲希の言った通り、今にも泣きそうな顔だった。
「な、何言って・・・。」
美桜の頬に一筋の涙が零れた。
「美桜、泣いていいんだよ?恋なんて気付かないうちにあるもんだから。」
「咲希・・・。」
美桜は咲希に縋りながら泣きじゃくった。