空
ー電車の中ー
山本と美桜が乗った電車は土曜ということもあり、結構混んでいた。
「座れなかったな。」
「いいよ、全然。」
山本と美桜はドアの方に押し込まれていった。
「っ、伊藤大丈夫か?」
山本はそう言うと、美桜を庇うように立った。
「山本ごめん・・・。」
「へいきへいき、このぐらい。」
山本がちょっとキツそうに言った。
「山本、いいから横来て?」
「んー、そう言われると。」
山本が美桜の空いている横のスペースに移動した。
美桜は自ら山本の手を繋いだ。
「!!伊藤?」
「こうしていたいから・・・。」
2人はしばらくそのまま居た。