ナツの誘惑
やがて繰り返されるようになる
オレと那都の二人の時間
だからってそれは
決してオレだけのせいじゃない
いや…、
オレに責任なんてあったのか?
「緒斗くん、篤志もう部活行っちゃった?」
「いや…そこら辺にまだいると思うけど」
「そっか…。ねぇ、緒斗くんは彼女いないの?」
「いないけど。…なに」
「ううん、なんでもないけど。カッコいいのに勿体ないね」
誰もいなくなった放課後の教室で
那都はオレに近づき
肩をすくめ、照れるような柔らかい笑顔を見せてくる
純粋…純情……?
オレから見れば
男の気の引き方を知ってる上等な魔性にも思えた