君色の空
でも、その言葉通り、私の心は汚れを知らない真っ白な気持ちだった。

盲腸と一緒に、私のどす黒く染まった心も、切り取られたみたい。

『生きている』ことを、『良かった』と思ったことがない私を、早苗は救ってくれた。

私にとって早苗は、『親友』でも『高嶺の花』でもなくて。

『天使』なのかもしれない。

本気でそんな風に思ってしまう程、私の心は晴れやかだった。

早苗に笑いかけて、スプーンに手を伸ばす。



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