君色の空
憂鬱な私の気持ちとは裏腹に、こんな天気でも、どこか楽しそうなふたりに、怒りさえも感じてしまう。

私はベッドに潜り込んで、入り口に背を向けて寝たフリを決めこんだ。

なんとなく今は、幸せそうなふたりを見たくないから…。

しばらくすると、ガサゴソという荷物と荷物がこする音と共に、ふたつの足音が聞こえてきた。

「渚、変わりないか!?」

「なんだお前、もう寝ちゃたのかよ?」

表情を布団で隠すような感じで、目を閉じたまま、その問いには答えない。



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