君色の空
忘れようと思っても、忘れることができないまま、時々こうして思い出してしまう。

特にひとりきりの、真っ暗な闇の中にいると、嫌なことばかりを思い出してしまう。

私はカーテン越しの月明かりに誘われるように、ベッドから降りると窓際へと歩いていく。

カーテンを開け放つと、真っ先に飛び込んでくる、ひときわ大きな月に目を奪われた。

今日は満月なのかと思うくらいの、まん丸な月を見上げると、吸い込まれてしまいそうになる。



< 122 / 230 >

この作品をシェア

pagetop