君色の空
お兄ちゃんだって、そうだったはずなのに。つい、昨日までは。

お兄ちゃんに弱音を吐いたことは、今まで一度だってないけれど、お兄ちゃんが頑張っている姿は、いつだって私に勇気を与えてくれた。

お母さんがいないのは、お兄ちゃんだって同じなのに、私には寂しそうな顔をひとつも見せずに、笑顔のお兄ちゃん。

私はただひとつだけ、その笑顔を守りたくて頑張ってこれたのに。

私がいなくても、お兄ちゃんは笑えるんだね。



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