君色の空
そんな真実なら、知らない方が良かった。

『私はいらない』

口に出して言われなくても、実際に言われているみたいで、悲しくなってくる。

ひとりには慣れていたはずなのに、本当にひとりきりの病室は、言葉では言い表せない感情を連れて来た。

私を憎々しい目で見つめた叔母さんの顔と、背中を丸めたお父さんの姿と、お兄ちゃんの涙を浮かべた表情がぐるぐる回って、私は眠れない夜を過ごしていた。

悲しい夜は、私の心を壊してゆく…――。



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