君色の空
『そうか…』と、小さくつぶやいたお兄ちゃんは、わざとらしくコホンとせき払いすると、悠里さんに目くばせをする。

その雰囲気から、お兄ちゃんの言おうとしていることを素早くキャッチした私は、身構えた。

自分の隣に一歩寄り添った悠里さんの肩を抱いて、お兄ちゃんは口を開く。

「俺達、結婚しようと思うんだ」

それは、あまり衝撃的な言葉ではなかった。

「知ってるよ!?」

私は淡白に答える。

二人が結婚することは、お互いの家族も既に了承済みで、別段驚くようなことでもなかった。



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