君色の空
昨夜は、裸で抱き合って、唇と唇を重ね合わせて、お兄ちゃんは悠里さんの耳元で愛をささやいたの?

そんな二人の姿がまぶたの裏に映し出されて、私の口は言わなくてもいいことまで、出てしまう。

「なんで?
赤ちゃんでも出来たの?」

「なっ…。
んなわけ、ないだろ!?」

昨夜のことでも思い出したのか、顔を真っ赤にして、あわてて否定するお兄ちゃん。

隣の悠里さんも、頬をやや赤く染めてうつむいている。

「じゃあ、どうして!?
式まで待っても、いいんじゃない?」



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