君色の空
そう聞いたことに、深い意味はなかった。

そんな返事が返ってくるとは、思いもしなくて。

「お前のためだ。渚」

真剣な目で、そう言ったお兄ちゃんは言葉を続けた。

「渚がこんなになるまで腹痛をガマンしてたのは、何でか考えた」

そんなこと、考えなくてもいいのに。

「俺達のためだろう!?」

勝手な分析は、やめて欲しいと思う。

「俺達は渚がいないと、ごはんも食べられない」

それは、私が唯一必要とされていると実感できることだから、居心地良かったのに。



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