君色の空
「分かった」

全然納得はしていなかったけれど、その場限りのウソでそう答えた。

そうとでも言わなければ、お兄ちゃん達は病室から出て行ってくれないと思ったから。

私は今すぐ、ひとりになりたかった。

やっぱりひとりは、居心地が良かった。

誰かと関わり合いになろうとすると、結局自分の傷をえぐることになる。

最後に傷つくのは、いつだって私なんだから。

ひとりなら、私は自分の過去と向き合うことも、傷つくこともない。

私はいつだって、笑顔で自分を偽ることができる。



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