君色の空
「モモちゃん…」

私は小さく、その名をつぶやいた。

「どうしてここに!?」

素朴な疑問を投げかけると、さっきとはまるで別人のような明るい声で、

「病人はベッドで寝てた方がいいんじゃないか!?」

という。

「もう、病人じゃないよ」

と答えると、モモちゃんは更に目を細めて、微笑むと、

「じゃあ、受験生は病室で教科書でも開いて、勉強でもしたらどうだ!?」

表情とは裏腹に、グサッとすることを言う。

冗談だとわかっていても、今の私には笑えるはずもなくて…。



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