君色の空
それから、『なんで三船は…』とつぶやいた。

「なんでお前は、いっつもそうやって、自分のやりたいことを我慢してるんだよ!?」

太陽がまぶしい午前中の屋上は、モモちゃんの顔に影を作る。

逆光で表情を読み取ることができないけれど、その声色は絶望にも似ていた。

「…るわけないよ…」

私の言葉は風に乗って、空を舞う。

モモちゃんに、その声は届かなかったみたいで、『何だって?』と聞かれた。

私は、大きなため息をひとつついた。


< 142 / 230 >

この作品をシェア

pagetop