君色の空
私は冷え切った心の中で、そう毒づいていた。

退屈な授業はすごく長く感じるのに、放課後になるのは、なぜか早く感じられて。

私は机の中の教科書をカバンにしまっていた。

「ねぇ、早苗。
アタシ、カラオケ無料券持ってるんだけど、一緒に行かない!?」

那智がわざと聞こえるような大声で、早苗を誘っていた。

「行く、行く!」




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