君色の空
「そんなわけないさ…」

最後のあがきを見せようとするモモちゃんの声も、私の心には響かない。

何度、抱きしめて欲しいと願っただろう。

私が願ったことは、ただの一つとして叶えられたことはない。

頭をなでて欲しい。

笑いかけて欲しい。

辛い時は、そばにいて欲しい…。

私にも、その寂しさを分けて欲しい。

ガマンしないで、その弱さを見せて欲しかった。

一緒に泣きたかった。


願った事はいつだって、ごくごく些細な幸せだったはずなのに。

私の願いは叶わなかった…。




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