君色の空
叔母さんに睨まれて、私はすごく怖かったのに。

怖がる私を振り向きもせず、ただただ謝り続けたふたりはあの時、心の中で、叔母さんと同じことを思っていたのかもしれない。

「私なんか、産まれてこない方が良かったんだよ…」

心の中で、いつも思っていたこと。

改めて口にすると、涙が頬を伝い落ちる。

頭を下げると、幾筋もの涙がほろりはらりとアスファルトにその形を刻んでゆく。

その一粒が、モモちゃんの手に落ちた。

モモちゃんは、さっきよりも私の体に密着して、私の名前を呼んだ。



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