君色の空
モモちゃんだって現に、私の話を聞くまでは、私のことを忘れていたわけだし。

嫌な記憶を共有している人と、『楽しい思い出』を共有しているはずかなくて…。

「やっぱり、知りたくない…」

力なくつぶやく、私がいた。

「なんで?」

突然の心の変化に、ついていけない様子のモモちゃんは私から体を離すと、今度は向き合うように移動した。

モモちゃんの目を、まともに見ることができない私は、目を反らして、うつむく。

「これは、渚が『知らなければいけない』、大事なことだ!」



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