君色の空
どれくらいの時間、屋上で過ごしたのか、わからない。

モモちゃんが口を開いたその時、病院にチャイムが鳴り響いた。

お昼ご飯の時間を知らせる、合図だった。

「病室に戻ろう」

というモモちゃんに促されて、私達は屋上を後にした。

「大事な話は、午後に」

そう約束をして、モモちゃんは手を振り病室を出て行く。

その日の昼食は、あまりご飯が喉を通らなかった。

点滴が外れ、普通食に戻ってからというもの、食事の時間が唯一楽しみな時間だったというのに。


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