君色の空
「ごめんなさい…」

静かに、私の口から謝罪の言葉が出た。

叔母さんは、あの日と同じ、びっくりした顔をして私を見ている。

それが驚いた顔か、怒った顔なのか、大きくなれば分かってくるのに。

あの日の私には、ただ怖い表情でしかなかった。

あの後、大きな手で私の頭をなでてくれた、優しい笑顔を記憶に留めていたなら、叔母さんに笑いかけることもできたかもしれないのに。

お母さんがいなくて寂しい気持ちは、みんな同じ。

私がもっと大きかったら、分かり合えたのかもしれない。



< 175 / 230 >

この作品をシェア

pagetop