君色の空
「いいえ。渚ちゃんは何も悪くないわ」

首を横にふりながら、静かに叔母さんが言葉を紡ぐ。

「あなたに、あんなひどい事…、謝っても許してもらえるとは思ってないけど、本当にごめんなさい…」

叔母さんは、もう一度私に深々と頭を下げた。

叔母さんに対して感じていた恐怖心は、もうどこかへ消えていた。

『あんな子、産まれてこなければ良かったのに!!』

私を睨みつけた叔母さんの姿は、あの日から変わらずに心の中に居座って、苦しめられてきたけれど。



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