君色の空

『本当のことを知る日が来たね』とつぶやいて、ﾓﾓちゃんは問いかける。

「どうして、渚のお父さんと、お兄ちゃんは、母に頭を下げたか、知ってる？」

と。

「それは…。
叔母さんの言うことが正しいと認めたから、でしょ!?」

『あんな子なんて、産まれて来なければ良かった』

それは、あの場にいた人の気持ちを、叔母さんが代弁しただけ。

『私が産まれてくることよりも、お母さんに生きていて欲しかった』

それが、みんなの気持ちだったから。

だから二人は頭を下げたんだ。

それ以外、考えられない。