君色の空
『お父さーん!』

パタパタと駆けて来て、足元に抱きつく我が子を抱き上げて、微笑む父親。

そばに立つ兄と手をつないで、歩き出した。

母親はいない。

『お前がいたら、もっと楽しいのにな…』

独り言をつぶやく父親の瞳をじっと見つめて、娘は言った。

『渚、産まれてきて良かった!!』

ニイっと口の端を上げて、娘は笑った。

その笑顔を受けて、父親は言う。

『そうだな。俺が寂しがってちゃいけないよな…』

夕日に向かって、父親が新たな決意をした日。

そこには、愛らしい娘の笑顔があった。



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